みなさんは普段香水を使いますか?
今回は香水の香りの構成と移ろいについて、少しお話ししようと思います。
今後も香りについての基礎知識や豆知識など、ちょこちょこ発信していこうと思っていますのでお楽しみに!

 

早速ですが、香水をつくる際に重要となる香料について。
香料には天然香料と合成香料があります。
「天然香料」は精油やエッセンシャルオイルとも呼ばれ、天然の植物や動物の分泌物から抽出された香料のことを言います。
一方、「合成香料」は化学反応を利用して作られた、人工香料のことを言います。
天然には存在しない香りや、動物保護のために天然香料を真似て作られた香り、天然香料と混ぜ合わせて作られたものも合成香料です。
合成香料は人工だからと言って天然より劣っている訳ではなく、天然香料では作り出せない、奥行きのある複雑な香りを作ることができます。
さらに、天然香料よりも合成香料の方が、人がイメージする香りに近い。という事もあるんです。
天然香料を抽出できる部分には限りがあります。
天然香料は植物の花びらや葉、果実の皮、木の樹脂などから取れますが、私たちが鼻で感じ取る香りと天然香料の香りが必ずしも同じものとは限りません。
合成香料は私たちの嗅覚に合わせて香りを作るため、天然香料よりも人の嗅覚に忠実である事も多くあるのです。
次に香水の香りの移り変わりについて。
香りの移り変わりは、大きく3つの段階に分けられます。
それがトップノート・ミドルノート・ラストノートです。

 

トップノートは1段階目、香水をつけてすぐに感じる香り。
揮発性が高く、その香水の使い心地と第一印象を決める香りです。
柑橘系の香りはトップノートの代表的な香りです。
持続時間は肌につけてから5〜10分くらいが目安です。

 

ミドルノートは2段階目、その香水のメインとなる香り。
その香水のテーマとなる重要な香りです。
フローラル系の香りはミドルノートで多く用いられます。
持続時間は肌につけてから30分〜1時間くらいが目安です。

 

ラストノートは3段階目、残り香となる香り。
その香水の個性であり、また使いたいと思わせる香りの結びとなる部分です。
樹脂やウッディ系の香り、動物性の香りなどがラストノートには多くあります。
持続時間は肌につけてから1時間以上経ったくらいが目安です。

 

上記の時間の移り変わりは、あくまで目安です。
最後に香水の呼び方の違いについて。
香水は基本的に香料とアルコールで構成されています。
少量の水が含まれる事もありますが、水は全体の5%未満です。
香料とアルコールの割合は香水によって異なり、実は一括りに香水と言っても、香料が占める割合(香料濃度)によって香水の呼び方は変化します。
また香料濃度が高いほど、香りの持続時間は長くなります。

 

香水の呼び方はパルファン・オードパルファン・オードトワレ・オーデコロンの4つに分類されます。
後ろに行くほど濃度は低くなりますが、その線引きははっきりしている訳ではなく、あくまで目安としての分類です。
パルファンは香料濃度約20〜30%、香り全体の持続時間は6時間以上。
オードパルファンは香料濃度約10〜20%、持続時間は5時間程度。
オードトワレは香料濃度約5〜10%、持続時間は3時間程度。
オーデコロンは香料濃度約2〜5%、持続時間は1時間程度。
初めて香水を使う方は、オーデコロンから始めてみるのがおすすめです。
ちなみにキャライノベイトの整香ワークショップは、自分で好きな香りを選びながら、このオーデコロンをつくります。
初心者の方でも使いやすく、普段から香水を使う方でも新しい香りの組み合わせが発見できるワークショップです。
不定期での開催ですので、新着情報やFacebookなどで開催状況をご確認ください!

 

今回お話したような香りが移り変わるアイテムは、決して香水だけではありません。
ディフューザーやボディケア商品でも香水と同様に、時間とともに香りが変化するように作られているものも沢山あります。
変化する香りは、時間の流れとともに印象も変わり、さまざまな発見があります。
季節や体温によっても、変化の速度や香りの印象は微妙に変化します。
ぜひ香りの奥深さに触れ、香りを楽しんでみてください!
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文章:遠藤愛実