加子母(かしも)ひのきを知っていますか。

岐阜県中津川市の加子母(かしも)地域では、東濃ひのきと呼ばれる優良木材を生産している。
「加子母ひのき」は岐阜県の東濃地方で栽培される東濃ひのきの中でも、中津川市加子母地域で栽培されるひのきのこと。
ひのきの中でも特に香り高く、赤みが多いのが特徴だ。
また、様々な有名寺社の建材として多く使用されている。
加子母ひのきの山は御杣山(みそまやま)とされ、これは伊勢神宮の御用材となる木が育つ山のことを指す。

伊勢神宮の20年に一度行われる式年遷宮では、神様の御神体を入れる器(御樋代)をつくる為の木、「御樋代木(みひしろぎ)」として使用される。
そしてその木は、神様に一番近い木「御神木」として扱われる。
また名古屋城の本丸御殿の復元にも使用されており、ここに挙げた事例だけでも建材としての質の良さや、古くから大切に守られて来たことを伺い知ることができる。
▲式年遷宮で使われる神宮備林
▲御杣始祭(みそまはじめさい)の様子

 

御杣始祭(みそまはじめさい)とは、伊勢神宮の御用材となる最初のひのきを伐り出す際に行われる行事。
加子母ひのきが、日本の歴史と伝統のなかで大きな役割を担ってきたことがわかる。

 

加子母ひのきの特徴である、赤みの多さ。
これはピンク材とも呼ばれ、ひのきのヤニ(樹脂)が濃い為にピンク色に色づくそう。
ピンク材の特徴は何と言ってもその香り。
香り高く、ひのきの香りが強く感じられる。

そしてもう一つの加子母ひのきの特徴は、木目が均一で年輪が細かいこと。
加子母の土地柄として、寒暖の差が激しく、特に冬はとても寒いという特徴がある。
寒いと木の育ちもゆっくりになり、年輪は細かく密になる。
幾年と細かい年輪が繰り返され、均一な木目と細くて密度の高い丈夫な木が育つ。

 

均一な木目は美的にも優れ、神社仏閣や住宅などの建材として重宝されてきた。
加子母ひのきは優良材。
目が細かく均一で美しく、そして香り高いピンク材。
決して安価ではないだろう。
安価な木材には持ち得ない価値と特徴をもっているのが加子母ひのきなのだ。
優良材をつくるために、町の人々は間伐をし、枝打ちをし、大切に大切に木を育ててきた。

 

加子母ひのきの木材としての素晴らしさ、歴史的建築物を支え続ける伝統的な背景、ひのきの中でも特出したその香り。
一人でも多くの人に「加子母ひのき」の存在を知ってもらいたい。
加子母ひのきをブランドとして全国的、さらには世界にまで浸透していってほしい。
優良材として、多くの美しい建築物を支え続ける存在であり続けたい。
加子母=ひのき
ひのき=加子母
いつかこの構図が当たり前になる日が来てほしい。
そのために私たちに何ができるか。
香りのモノづくりをしているキャライノベイトができることは何か。
「加子母ひのき」と「香り」から生まれる新しいモノづくり。
ここから、WANOWA第2弾となる「加子母ひのきプロジェクト」が始動した。
お披露目までもう少し。
続く。

 


現在、加子母ひのきプロジェクトの商品開発にあたり、クラウドファンディングに挑戦しています!
こちらにも加子母ひのきのこと、現在の活動報告、WANOWAの詳しい説明も掲載しております。
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文章:遠藤愛実